指数理論ってなに?
競馬をやり始めてしばらくしてぶち当たるのが“指数”の壁。
ちょっと専門的な競馬予想紙や予想番組でいわゆる理論派の論客が神の啓示のごとく自分の指数を告げているのをよく見かけますよね。
でも、指数って結局なんなんでしょうか?
ものすごく簡単に言ってしまうと、すべての競走馬をひとつの物差しで強い順に並べた時一頭一頭に割り当てられた数値、ということになります。
つまり競走馬の強さを数値に変えたものですね。
ということで指数理論というのはそういうデータをもとに競走馬を強い順に並べて競馬レースの予想をしようという考え方なのです。
でもこれ、言うのは簡単ですが本当にそんなことができるのでしょうか?
指数理論の代表格、スピード指数
というわけで指数理論をもっと簡単に理解するために、一番よく挙げられるスピード指数を例にとって解説してみます。
スピード指数とは文字通り競走馬の脚の速さをひとつの数値に置き換えたもので、割り当てられた数値が大きいほど早く走れる、すなわちレースで勝つ確率が高くなるというものです。
試しに近年最強馬のオルフェーブルのスピード指数を上げてみましょう…といって探してみるとそれより面白いものが。
なんと日本におけるスピード指数の普及に多大な功績のある西田 和彦さんのスピード指数コラムが。
それも2013年のオルフェーヴル引退レースの有馬記念のスピード指数予想が。
いやまさかこんなところで御大のスピード指数予想が見れるとは。でも肝心のスピード指数は出ていませんでした…。
しょうがないので勝手にこちらで指数を例に出すと、たとえば
- オルフェーブル:150
- ジェンティルドンナ:146
- キズナ:139
という風に競走馬ごとに数値が出るのでわかりやすく力関係を把握できるんですね。
もっともこの数値がそれぞれの馬の力差を正確に反映しているかどうかというのは、かなり未知数な所が多いというかそこが正確じゃないと意味がないんですけどね。なかなかこれが難しい。
スピード指数の提唱者
その難しい競走馬のスピードの数値化を一番最初にしたと言われるのが、アンドリュー・ベイヤー(1975年ぐらいに発表)。
日本ではそれから遅れること20年、先にあげた西田 和彦さんが競馬雑誌や自身の著作で広めたのが始まりと言われています。
「すべての馬が馬場状態の同じコースを同じ負担重量で同じ距離を走ったと仮定して、その時の走破タイムをもとに各競走馬のスピード能力を比較して数値化する」
この一見難しそうに見えて、やってしまえば極めて単純明確に競走馬の力関係を把握できる部分が受けてたちまち競馬予想家の間にスピード指数という考え方は広まります。
日本でも先に挙げた西田氏以外にも石川式スピード指数の石川ワタル氏、タイムフィルター理論の市丸博司氏などさまざまなタイプのスピード指数を使う予想家が出てきました。
能力指数、血統指数、馬場指数…まだまだある指数理論
競馬の要素としてスピードは欠くべからず大きな要素です。
だからこそスピード指数はその要素に特化して数値化することで予想を容易なものにしたのですが、そうはいってもそれ以外にも大事な要素はまだまだたくさんあります。
スピードだけでなくスタミナや勝負根性なども取り入れた能力指数。
母父や父、それ以前の母系の特色などを数値化した血統指数。
ダートや芝、スプリント・マイル・クラシックディスタンスとレース距離や使われる競馬場の馬場状態に対する適性を数値化した馬場指数。
それ以外にもレース同中の平均ペースに着目したペース指数、最後の3ハロンタイムを重視した上がり3ハロン指数など挙げていけばきりがないほど指数の基となるものはあります。
指数理論のまとめ
結局のところ指数というのはどの馬がどの観点から一番強いのか、を予想する人の考えをもとにで点数で表しているに過ぎません。
残念ながらいまのところどのシチュエーションでも通用する指数というものはありませんし、まして必ず指数の能力通りに決まるレースなどはごくまれでしかありません。
それでも自分なりの指数計算方法をもっていれば、ある一定の精度を持って短時間で予想をすることは出来ます。
あまり指数ばかりに捉われる必要もありませんが、もう一歩競馬の予想段階を進めたいなら自分にあった指数を作り出していくというのもいいかもしれません。